日々の業務について
「勉強した方がいいのはわかっているけど、なかなかやる気が出ない。」
「新しいことにはチャレンジしたいけど、なんとなく気が重くてできない。」
このようにしんどい思いをしたことはありませんか?
これは無意識下で心にブレーキがかかっている状態で、誰にでも起こることです。
本能や情動の中枢である大脳辺縁系という部位は、危険や不安といった生命を脅かす恐れがあるものに敏感に反応するようになっています。
では新しいことにチャレンジすることや必要なことをやることに不安を感じているのでしょうか?
行動に対して全く不安がないとは思いませんが、それよりも毎日の習慣が変わることの方に不安を感じているように思えます。
人間は理性の生き物でもなければ、本能の生き物でもない。
人間は習慣の生き物である。ジョン・デューイ(哲学者)
今回は無意識に起こるメンタルブロックと解決方法についてお伝えできたらと思います。
目次
メンタルブロックについて
まずは無意識にどんな心のメカニズムが働いてるかを知ることが大切です。
今回は現状維持バイアスとパーキンソンの法則について説明します。
1.現状維持バイアス
現状維持バイアスとは大きな変化や未知なるものを避け、現状を維持したくなるという心理作用です。
明らかに現状が悪い時や明らかにやれば良くなるとわかっている時でも、変化を避け現状を維持しようとしてしまいます。
- 練習すれば上手くなるとわかっていてもなかなかできない。
- やれば必ず成長できるアドバイスをもらっても実行できない。
習慣が変わる不安から非合理的な思考になるので、新しいことにチャレンジできません。
2.パーキンソンの法則
パーキンソンの法則は、1958年にイギリスの歴史学者・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した法則です。
第1法則
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する第2法則
Wikipediaより引用
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
第1法則の時間、第2法則のお金ともに資源はあるだけ使ってしまうという法則です。今回は第1法則について取り上げます。
- 夏休みの宿題がぎりぎりまで終わらない。
- 一週間後に提出する資料を提出期限ぎりぎりまで手をつけられない。
簡単に言えば先延ばしする癖です。
パーキンソンの法則が期限がない場合はいつまでもやらないということになると、現状維持バイアスとつながります。
- 現状維持バイアス:課題自体を避ける心理作用
- パーキンソンの法則:避けられない課題に対する心理作用
克服の順序は!?
現状維持バイアス(課題と向き合う)→パーキンソンの法則(課題を解決する)
メンタルブロックを外す習慣のツボ

1.現状維持バイアスを外す3つの習慣
現状維持バイアスを克服するには、行動する習慣を身につけることです。
- 自分にとって必要なことで無意識に避けていることを意識化する習慣
- 少し苦手なことにチャレンジする習慣
- 目標を低く設定してやりきる習慣(成功体験)
無意識に避けていることをやってみることでいつもと違う行動に慣れるといいかと思います。
但し苦手なことから始めるとやった気にはなりますが、続きにくいので課題の選定が重要です。
自ら行動ができる人は固定化した習慣を作らないことで、変化がないことの方に違和感を感じるのかもしれません。
2.パーキンソンの法則を外す3つの習慣
パーキンソンの法則を克服するには、計画的に実行する習慣を身につけることです。
心のどこかでやりたくないと思っているものにはなかなか手がつけられませんが、自ら計画して実行した方が精神的な負担が少ないです。
- 他者と目標や期限を共有する習慣
- 期限内に達成できるように課題を分けて、毎日何かを達成する習慣
- 毎日の作業一つ一つにタイムリミットを決めて時間を厳守する習慣
同じ課題でも早めに作成すれば見直す時間ができるので、これを繰り返すことでPDCAサイクルを回す習慣も身に付きます。
普段から前倒しで課題を行うような習慣を身に付けることで、自身の成長と周囲への信頼につながる行動ができるかもしれません。
まずは日々何かに取り組む習慣を作り(脱現状維持バイアス)
今度は期限を決めて完結させる習慣を持ちましょう。(脱パーキンソンの法則)
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
マザー・テレサ
毎日自分からリハビリに取り組めるような習慣が作れると、どんどん回復へ向かうように思います。
最後までご観覧いただきありがとうございました。
この記事が臨床で悩むセラピストの一助となれば幸いです。