プランニング

リハビリ目標を確実に達成するPDCAサイクルのツボ

現在実施しているリハビリに対して

「これを続けて効果があるのかよくわからない。」

「目標は決めたけど、なかなか目標に近づかない。」

このような場合、どうやって解決していますか?

実施しているリハビリ方法を単に変えただけでは、なかなか解決が難しいのではないかと思います。

目標に対してリハビリ方法が適切かどうかを判断するには、仮説検証作業と仮説検証するための具体的な計画が必要になります。

この仮説検証作業により、リハビリが目標に向かって加速します。

リハツボ
リハツボ
仮説検証とは物事が計画通りに進んでいるかの振り返りです。

これにはPDCAサイクルを回すという考え方が有効になります。

今回はPDCAサイクルとリハビリでの活用方法についてお伝えできればと思います。

PDCAサイクルについて

1.PDCAサイクルとは


第二次世界大戦後、日本において、統計的品質管理をウォルター・シューハートの弟子エドワーズ・デミングが日科議連にて講演した。この講演を聞いた日科議連の幹部がPDCAを提唱したとされる。

wikipediaより引用

PDCAサイクルという名称は、サイクルを構成する4段階の頭文字をつなげたものです。

  1. Plan:計画
  2. Do:実行
  3. Check:評価
  4. Action:改善

以上の4つの段階で繰り返し考えることにより、物事を持続的に成長させる思考法です。

4段階の最後のAction(改善)で次のPDCAサイクルをレベルアップさせてつなげます。

これをスパイラルアップといい、螺旋を描くように上昇しながらサイクルして継続的に物事を改善します。

但しPDCAサイクルを回すには、目標を明確にしておくことが必要になります。

実現できるリハビリ目標を設定する5W1H活用のツボ 現在、リハビリの方法は無数に存在します。 ただリハビリの効果が思うようにあがらない原因は… ...

2.4つの段階について

図:PDCAサイクル

①Plan:計画

目標で決めた期限と数値がどうやったら達成できるか具体的な案を出します。

②Do:実行

計画であげた具体的な案を行動に移します。

③Check:評価

実行したことで、計画通りの結果が出たかを再評価して検証します。

  • 計画通りできた場合:なぜうまくいったかを検証して経験にする。
  • 計画通りできなかった場合:なぜ計画通りにいかなかったか、どこが計画通りにいかなかったかなどを検証する。

④Action:改善

検証結果をふまえて、改善策を作成します。

  • 計画通りできた場合:次の目標を設定して、新たな計画へ向かう。
  • 計画通りできなかった場合:微調整or方向転換した目標で計画を立て直す。

目標をやや低めに設定する方が躓くことが減り、PDCAサイクルがスムーズになります。

目標達成まで成功体験を繰り返すように難易度を設定できることが望ましいです。

PDACサイクル活用のツボ

リハビリにおけるPDCAサイクルの活用方法について説明していきます。

1.目標設定が不十分な場合

目標:患側下肢の筋力向上により、立位で歯磨き洗顔が可能となる。

①Plan:計画

目標に期限と指標がなく現実的な目標かどうかもわかりません。

ただ理想(what)に対して実行(do)するだけの計画になります。

  • 患側下肢の筋力向上→筋力トレーニング
  • 立位保持→立位保持練習

②Do:実行

計画通り実行します。

③Check:評価

実行することが計画になっているので、できたかどうかの評価になります。

  • 開始前より筋力向上できたか?
  • 開始前より立位保持が可能になったか?

④Action:改善

評価結果が詳細ではないので微調整はできません。

  • なんとなく良くなった:継続or方向転換
  • なんか変わった気がしない:方向転換

実行すれば計画通りにいっていると錯覚してしまうので、計画を見直すことはなく実行だけを継続or方向転換(変更)するようになります。

リハツボ
リハツボ
このように計画が不十分で実行だけを繰り返すことを手段の目的化といいます。

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2.目標設定が適切な場合

目標:1時間のリハビリで患側下肢の支持性を向上し、均等な荷重での立位保持が10分程度可能となる。よって病室では歯磨き、洗顔が歩行器や台にすがることなく実施可能となる。

①Plan:計画

実行したことが質的、量的の両方で評価できるように計画します。

目的:均等な荷重での立位保持が10分程度可能となるように1時間で患側下肢の支持性を向上させる。

現状把握と評価方法

  • 本人の恐怖心の有無
  • 姿勢の分析
  • 実施前後でファンクショナルリーチテスト(前後の重心移動)
  • 実施前後で体重計で荷重の比率を測る(左右の重心移動)

実際のアプローチと工夫

  • 立位で前方リーチの運動から側方リーチの運動に移行することでstability limitを拡大する
  • 努力的な姿勢になると耐久性が低下するので注意する

②Do:実行

評価からアプローチを計画通りに実行します。

③Check:評価

計画であげた評価方法で効果判定します。

④Action:改善

評価結果をもとに次の計画に進むための準備をします。

  1. 計画通りの評価:次の目標を設定して計画へ
  2. 5分程度の保持は可能になった:目標を微調整して計画へ
  3. 均等に荷重できなかった:目標を方向転換(大幅に目標を下げる)して計画へ

PDCAサイクルは最後のActionでレベルを上げながらサイクルするので、全く同じことを継続することはありません。

リハツボ
リハツボ
大まかな説明になりましたが、実際には一つ一つの実行に対して常に振り返りができるように思考がサイクルします。

思考は習慣化されるので、毎日意識しやすいことからPDCAサイクルに慣れていくことがよいでしょう。

※行動は3週間、思考は6ヶ月で習慣化されると言われています。

臨床で悩んだ際はリハビリ方法を探すだけではなく、目標や計画を見直すことでより適切な方法を見つけることができるかもしれません。

最後までご観覧いただきありがとうございました。

この記事が臨床で悩むセラピストの一助となれば幸いです。